こんにちは、こども園副園長の「しん」です。
皆さんは、このような悩みを抱えたことはありませんか。
- 保育業界で働きたいけれど、まだ資格はない。それでも働けるのかな?
- 保育補助って仕事があるらしいけど、仕事ってどこまでするのかな?
- 保育補助として働くのにあたって、持っておいた方がいい資格とか心構えはある?
これらの悩みについて、こども園副園長がお答えします。
まず、保育に関する資格(保育士や幼稚園教諭ですね。)がなくても、保育業界で働くことは可能です。保育園だけでなく、こども園でも働けます。
それが、「保育補助」です。保育補助者という言い方をすることもあります。
もちろん、事務職も資格がなくても働けるんですが、保育業界で働くのであれば実際に保育の現場に携わりたいですよね。
そこで、今回は保育補助について説明します。
後ほど詳しく説明しますが、保育補助とは、園での保育業務のサポートを業務内容とします。そのため、園によっては非常に幅広く仕事をする可能性があります。
そして、幅広く仕事をする以上、働くにあたっては、保育以外の資格を持っていると重宝されます。
実際に働きだすと、一つのクラスだけでなく、様々なクラスで保育業務を行う場合もあるため、園という一つのチームの一員だという意識がなければ面食らうかもしれません。
園では様々な経験を積んだ保育士らが働いていますし、皆さんのなかには以前に保育士経験のある方もいると思います。
各々の経験に基づく意見をどのようにすり合わせるかを、保育補助としての立場を踏まえたうえで考えていかなければ人間関係でつまずく可能性もあります。
そこで、以下ではここまで説明してきた内容と採用されやすくなる方法を具体的にお伝えしていきますね。
もくじ
「保育補助」は保育園・こども園・幼稚園でのサポートメンバー
先ほどもお伝えしたとおり、保育補助の業務内容とは、園での保育業務のサポートです。
ここで重要なのは、保育士らのサポートではないという点です。
保育士らの仕事内容を大きく3つに分けると
- 保育業務
- 教育業務
- 書類作成業務
ですね。
ただ、実際に園の運営をしていくと、これらの仕事内容だけでなく、
- 教室内の掃除
- トイレ掃除
- 園庭の草むしり
- タオル・マット類の掃除
- 備品管理
- イベントの企画
- 経理事務
- 役所対応
など、幅広い仕事があります。
下の二つなどは、もはや保育業務自体ではなく、園の運営にかかわる部分ですね。
ただ、規模の小さい園では、専属の事務員を雇う余裕がなく、保育補助であっても、こういった仕事を任される可能性があります。
保育補助の業務内容
以上を踏まえると、保育補助の業務内容を大きく3つに分けると、
- 保育関係業務
- 園雑務関係
- 園運営関係
となります。
保育関係業務
まず、保育業務に関係する部分は、
- 保育業務
- 教育業務
- 書類作成業務
- イベントの企画
ですね。
まさに、保育業務の中心なので、これから保育業界として働かれる方はこれらの業務をイメージしているのではないでしょうか。
このうち、保育補助が主に担うのは、保育業務です。
園では、同年齢・異年齢の差はありますが、クラスが編成されており、クラスごとに担任が決められています。その担任の指示にしたがって、
- 園児の登・園の補助
- クラスの活動中の補助
- クラスの活動で使用する教材やおもちゃの準備・片付け
- 給食やおやつの準備・片付け
- 保護者へ配る書類の作成や準備
- 園児の寝かしつけや昼寝中の見守り
を行います。
ただ、その範囲は園によって大きく異なります。
保護者へ配る書類の作成を担任が作成する場合もありますし、保育補助にお任せする場合もあります。
保育業界はいまだに園から保護者への手紙を手書きで作成している園が多いです。手書きの場合は担任が作成していることが多いですね。
他の点についても、担任の負担に合わせて保育補助へ仕事を振っていることが多いです。
園雑務関係
次に園の雑務関係です。これは、
- 教室内の掃除
- トイレ掃除
- 園庭の草むしり
- タオル・マット類の掃除
- 備品管理
ですね。
ここも正直、園次第というのが正直なところです。
ある園では、保育士らも含めて全員が担当制で掃除等をしているところもありますし、雑務関係をすべて保育補助に丸投げしているところもあります。
でも、せっかく保育補助になっても掃除や備品管理ばっかりで保育業務に携われないのでは、仕事を続ける気力がなくなってしまうのではないでしょうか。
こういった丸投げの園への就職を避けるには、保育士が業務に追われているかどうかが一つの基準になると思います。
保育士が保育業務に追われている場合には、どうしても掃除などは保育補助に任されてしまいます。
保育士が業務に追われているかどうかは、あくまで目安ですが、
- 園内に妙に手作りのおもちゃや教材が多い
- 保育士らがいつも疲れた顔をしている
- 園からのお知らせが手書きばっかり
などが判断の参考になります。
園運営関係
最後に、園の運営関係です。こちらでは、
- 経理事務
- 役所対応
などが考えられます。
どちらも、経理知識や文章能力などの専門的な能力が要求されるので、保育補助にここまで仕事をさせる園は多くないです。
ただ、小さい園などで事務職にあまり力を入れられない園では、こういった仕事を任されることもあります。
これらの仕事は園の運営上非常に重要な部分ですので、任された場合は、園としては長期的に雇用するつもりなのは間違いないです。
ですので、長く保育補助として働きたいのであれば、こういった仕事を任されるように資格などでアピールするのもおすすめです。
ピアノは弾けなくてもOK
ちなみに、保育業務に携わる以上、ピアノを弾けなけらばならないのか?と疑問に思うかもしれません。
私も、保育業界を考えていた知り合いから質問されたことがあります。
結論から言うと、ピアノを弾ける必要はありません。あくまで、サポート役だからです。
仮に、将来的に保育士や保育教諭を目指す場合でも、必ずしも必須なわけではありません。
保育士試験でも、実技試験では「音楽表現に関する技術」、「造形表現に関する技術」、「言語表現に関する技術」のうち2つ選択して受験するため、「音楽表現に関する技術」を選ばなければピアノが関わることはありません。
また、「音楽表現に関する技術」を選んだ場合でも、アコースティックギターやアコーディオンでもOKなので、必ずしもピアノの技術は必要ではありません。
実際に園の職員採用でも、ピアノの技能を不問としているところも出てきています。
ただ、まだまだ多くの園ではみんなでピアノ曲を歌うという文化が根付いているため、ギターや尺八など、他の楽器が使えると非常に重宝されます。
保育補助の原則的な雇用形態は非常勤
保育補助で働こうとする場合、基本的には非常勤として働くことになると思います。
ジョブメドレーという医療介護職求人サイトによれば、
ジョブメドレーに掲載されている求人の雇用形態別の割合を見ても、正職員13%、契約職員9%、パート・アルバイト79%となっており、非常勤で働く保育補助のニーズの高さが伺えます(2021年2月時点)
ジョブメドレーより引用
とあるとおり、ほとんどがパートやアルバイトの雇用です。
そのため、これから働くことを考える場合も、パート・アルバイトでの就職を考えるべきでしょう。
給料は、有資格者の方が高い
いくつか求人を調べてみましたが、給料自体は、無資格者だと時給1000円を切ることが多く、有資格者だと高ければ1200円程度になるようです。
理由は、保育士資格などを持っていれば、正保育士の代替として勤務が可能だからです。
有資格者の優遇はやむをえないですね。
保育補助として採用されるために有利な資格は子育て支援員
保育補助として働くのであれば、必ず「子育て支援員」という認定を得ておきましょう。
「子育て支援員」とは、子ども・子育て分野の新たな担い手として厚生労働省が認定するもので、認定を受けると保育事業等に必要な知識や技術を取得していると認められます。
この認定は、一度取得すると全国で通用しますし、取得にかかる研修費用や教材費などは基本的には無料です。
無料で取得できるのに、就職には有利ですから取らない理由はないです。
採用する園としても、全くの未経験・知識なしよりも基本的な保育の知識がある人を取りたいです。
ですので、認定は取っておきましょう。
認定を取る際、専門コースは必ず地域保育コースを選択しましょう。保育事業関係のコースです。
もし認定を取る余裕がないという場合でも、採用面接では「子育て支援員研修(地域保育コース)を受講するつもり」と伝えましょう。
保育補助として採用されるための対策とは
以上の子育て支援員認定の取得に加えて、面接の際には、必ず将来的に保育士を目指すことを明言しましょう。
今すぐ取得するつもりがなくても、長くても4年以内に取得できることを示してください。
例えば、短大や大学、通信教育で受講を開始している…などですね。
なぜ、将来的に保育士資格の取得を目指していることを伝える必要があるのかというと、採用する園が保育補助者雇上支援事業の適用を受けられるからです。
保育補助者雇上支援事業とは、保育士の負担軽減と離職の防止を目的に、保育補助者を雇用した園が、雇用に必要な費用の貸付を受けられる制度です。
そして、この制度のキモは、雇用した保育補助者が勤務しながら貸付期間中に保育士資格を取得したり、貸付が終了して1年以内に保育士資格を取得する目途がたった場合には、園は貸付を受けたお金の返還が不要になる点です。
つまり、雇った保育補助者が期限内に保育士になれば、その保育補助者を雇うのに必要な費用として貸付を受けていた金額についてチャラになるという、園からすれば大変ありがたい制度なわけです。
この制度による貸付金を受けるための要件は、
- 保育士資格取得を目指している
- 子育て支援員研修(地域保育コース)または「保育に関する40時間以上の実習」の受講
ですので、その対象であることを面接でアピールするのがおすすめです。
他の対策としては、保育に関する資格以外の面をアピールするのも有効です。
- 掃除に関する資格
- 英語に関する資格
- 簿記などの会計資格
こういった、保育計画に役立ちそうであったり、施設管理や経営の観点から役立ちそうな資格があれば、負担に感じている業務をお任せできると、園側からは重宝されるでしょう。
ちなみに、保育士・保育教諭として働くための、お金のかからない最強の流れは、以下のとおりです。
- 失業中の職業訓練として無料での保育士等養成校を受講する
- 通学中にアルバイトとして保育補助として採用される
- 保育士資格取得後に正職員として勤務を目指す
ただし、職業訓練中のアルバイトは、場合により職業訓練校を退校になるおそれがあるので注意しましょう。
具体的には、7日以上の契約で、1日4時間以上、または、週に20時間以上働いた場合は失業給付の対象外になるので、退校になる可能性があります。
保育補助はあくまでチームの一員との心構えが必要
最初にお伝えしたとおり、保育補助は園の保育業務をサポートすることが仕事です。
ただし、サポートとはいえ、子どもの成長に携わるスタッフの一人ですので、心構えとして、必ず責任感を持って仕事を進めなければなりません。
また、園児の成長を見守るチームの一員ですので、自分の資格や経験に応じてチームとして協力できるように意識するといった心構えが必要です。
有資格者
保育士資格などを取得していて、経験もある場合、あれこれ口を出したくなってしまいますよね。
ただし、保育補助はあくまでサポートです。
クラスの担任は園の命令に基づいてクラスの運営をしているので、あくまで担任を方針を尊重しながらも、経験に基づいた意見が可能なら少しづつ出していくという心構えが必要です。
特に、このやり方は間違いとするのではなく、こっちの方がやりやすいかも…というように、担任の自尊心を傷つけないようにする必要があります。
無資格者
保育業務については、経験がないので、クラス担任の指示に従って仕事を進める必要があります。
ただ、子育て経験や小さい子のお世話をした経験などがあれば、改善できる意見が出せる場合もありますし、そうでなくても、もっと改善できる部分あるのではと感じる場面もあると思います。
そのような場合でも、有資格者が無資格者に意見を出されるとイラっとする可能性が非常に高いので、絶対に意見を言ってはいけません。人間関係が壊れます。
この場合は、必ず質問形式にしましょう。
仕事の仕方がわからないというふうに、「ここは〇〇かなって思ったんですけど、××でよかったですか?」というように、前半に意見を入れながら質問をしてみましょう。
場合によっては、〇〇の方が良い方法だとなって改善される可能性があります。
ただ、確実性はないです。資格者に意見する以上、これが限界です。
まとめ:保育補助は、これから保育業界に飛び込むにはちょうど良い働き方
今回は、保育補助の仕事の範囲や働くのに必要な資格、心構えについて説明しました。
本文中でお伝えしているとおり、その気になればお金を払わず、保育のバイトをしながら保育士として働き始めることも可能ですし、既に保育士資格をお持ちの方も他のアルバイトよりも効率良く稼ぐことができますので、おすすめです。
ただ、保育補助として求人を探す際には、ハローワークや社会福祉協議会ではなく、エージェントのいる求人サイトで探すようにしてください。
エージェントは、あなたの就職や転職の際に、求人の提案や相談にのったり、園との交渉もしてくれます。
なぜ、保育補助の求人を探す際にエージェントを利用を利用しなければならないかというと、採用しようとしている園に対し、自分に代わってエージェントが保育補助者雇上支援事業の説明をしてくれるからです。
保育補助者を採用しようとしている園に対して保育補助者雇上支援事業は非常に魅力的ですが、その魅力を充分に理解していない園は多いです。
そこで、エージェントが園に対し、「保育補助者を採用しても負担は少ないですよ、この人は将来保育士になる予定なので、お得に雇えますよ。」というように説明してくれます。
これだけで、採用される可能性はぐっと上がります。
しかも、こちらが負担することは最初に求人サイトに登録するぐらいです。
本気で就職するつもりならば、とりあえず求人サイトに登録して、気になる求人を探しておきましょう。
おすすめの求人サイトについては、こちらで記事にしています。