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【ブラック園を避ける】保育園・こども園が家族経営かどうかを見分ける3つの視点



こんにちは、こども園副園長の「しん」です。

皆さんは、保育士として働くなかで、次のような悩みを抱えたことはありませんか。

  • 今働いている園が家族経営なので、将来性があるのか不安
  • 転職を考えているけど、家族敬遠の園はヤバいって聞くので、そこでは働きたくない
  • 家族経営の園の見分け方がわからない

現役のこども園の副園長が断言します。家族経営の保育園やこども園は将来性はかなり低いので、可能な限り就職は避けた方が良いです。

なぜなら、離職のリスクが高く、昇給も客観的でない可能性が高いうえに、役職に就ける可能性が低いからです。

詳細はのちほど記載しますが、正直家族経営の園ってほとんどメリットがありません。

ちなみに、私の知り合いも家族経営の園で働いていましたが、辛くなって辞めてしまいました。本人によれば、なによりも未来が見えないのがキツいとのことでした。

そこで、今回は家族経営の園のデメリット・メリットをお伝えしたうえで、家族経営の見分け方を紹介します。


家族経営の保育園・こども園はほぼデメリットまみれ



まず、家族経営の保育園・こども園とは、どういったものを指すと思いますか。

園長と副園長が親子とか、園長と副園長が夫婦とかを思い浮かべますよね。

実際そのとおりで、この組み合わせが最も家族経営としては多い気がします。

しかし、組み合わせはそれだけではなく、

  • 園長と副園長、主任保育士(主幹保育教諭)が家族
  • 本園の園長と分園の園長が家族
  • 園の設置者である法人の理事長と園長が家族

なんて構成の家族経営も存在します。

避けるべきなのは、園の設置者である法人の理事長や実際に園で役職についている人のうち2名以上が家族という園です。

なぜなら、園の運営に関する指揮系統がすべて一つの家族に牛耳られてしまっているからです。

家族経営の園のデメリットは、すべてこの指揮系統の独占から生まれてしまっています。

それでは、具体的にどのようなデメリットがあるか紹介します。


家族経営の園のデメリット



デメリットの一つめは、

昇給の程度や役職に就けるかどうかが恣意的になりやすい

という点です。

家族経営の園は昔から家族で経営している園が多く、園の歴史が数十年になるところもあります。

そのため、コンプライアンスに関する意識は非常に乏しい園が多いです。

たとえば、どの程度昇給させるかを判断するための人事考課表といったものがない園もあります。

昇給額を決めるのは、園長の心持ちひとつです。

あの保育士はよく働くけど、自分に歯向かってくるし、生意気なので昇給は最低限にしよう。

こっちの保育士はピアノの演奏も微妙だし保護者対応もうまくないけど、よく懐いて可愛いので昇給額は多めに。

なんてことがまかり通っています。

特に認可保育園や認定こども園では、園の運営をほぼ給付金や補助金などで賄うため、より良いスタッフを育てて利益に貢献させるといった意識は希薄です。

昇給のためには、園長ら役職者にゴマをすらなければならないのは嫌ですよね。

また、家族経営の園では、役職者は親族で占められていることも多いです。

役職についていると、役職手当がつくことが多いので、家族によりお金を流そうとしているからです。

でも、そうなると園長・副園長・主任保育士(主幹保育教諭)といった高額の役職手当がつく役職は埋まっており、今後も役職をつけてもらえない可能性は非常に高いです。


第2のデメリットは、

現場の意見が反映されにくい

という点です。

先ほどもお伝えしたとおり、役職者は皆一族の人となった場合も考えてみましょう。

園長も副園長も主任保育士(主幹保育教諭)も全員家族だった場合、現場の保育士はいったい誰に相談すればよいでしょうか。

主任らに意見して、その意見を握りつぶされた場合、おそらく副園長や園長に意見したとしても同じように握りつぶされるでしょう。より身内である主任らの意見を尊重するからです。

つまり、保育現場の意見は通りにくいし、一方で園長らが無理な命令をしてきて、いくら反論をしても聞く耳をもってもらえず、その無理な命令を止める人がいないということです。

こういった状態では、職場環境の改善は期待できないでしょう。


第3のデメリットは、

異動があまり期待できない

という点です。

家族経営の園では、株式会社とは異なり、規模の小さい園がほとんどです。

園の数は多くても2~3園ですし、ほとんどが1つの園しかありません。

そうなると、園で働いていて人間関係で揉めた場合に、異動したくても異動できません。

パワハラをする主任保育士(主幹保育教諭)、なにかと文句をつけてくる同僚、大企業であれば他の場所へ異動ができますが、家族経営の園では、耐えるか退職するかのどちらかを選ぶ必要がでてきます。


家族経営の園のメリット



家族経営のメリットは、私が見てきたなかでも一つだけです。

それは、

上手くはまれば、アットホームでとても柔らかい、働きやすい園で働ける

ということです。

私の知り合いの保育士は、まさにこのような園だったのでとても働きやすいようです。

ただ、このメリットを受けられるのは、比較的小規模の園で、経営者一族が優しい人たち、という非常に限定的な場面に限られるように感じました。


家族経営かどうかを見分ける3つの方法



以上のとおり、家族経営の園にはほとんどメリットがありません。

園で長く働く以上は、定期的にきちっと昇給したいし、役職にも就きたいですよね。

そこで、家族経営を見分ける3つの視点を提供します。


園の運営主体が「社会福祉法人」であること



まずもって、この点を確認してくだい。

西暦2000年の規制緩和までは、社会福祉法人が保育園を運営しており、規制緩和によって株式会社によっても保育園を運営できるようになりました。

ですので、長く運営を続けている園は、社会福祉法人が運営している可能性が高いです。

社会福祉法人が運営する園のすべてが家族経営というわけではありませんが、社会福祉法人が運営している園に転職しようと考えている場合には、以下の方法で家族経営かどうかを確認する方が良いです。


経営者・役職者の名字が一致していること



先ほどもお伝えしましたが、家族経営とは、園の設置者である法人の理事長や実際に園で役職についている人のうち2名以上が家族である園をいいます。

となると、理事長や役職者が同じ名字であれば、その人たちは家族の可能性が非常に高いです。

ただ、理事長とか園長とかの名前をどうやって調べればいいのだろう?と思いますよね。

そこで、2か所のホームページを確認するようにしましょう。

ひとつは、

園のホームページから調べる方法です。

最近の園では、コーポレートガバナンスの観点からホームページ上で理事や役職者の名前を公表していることが多いです。

コーポレートガバナンスとは、企業がきちんと経営しているかをチェックすることですね。保育園やこども園でも地方自治体から要請されて公表していることがあります。

ふたつめは、

「WAM NET」 という独立行政法人福祉医療機構が運営しているホームページから調べる方法です。

「WAM NET」のなかにある、「ここdeサーチ」という検索サイトでは、保育園やこども園の詳細な情報を調べることができます。

その中には、園長の名前と運営法人の名称も記載されています。

「ここdeサーチ」により運営法人の名称がわかれば、今度は「WAM NET」にある、「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」という検索システムから社会福祉法人の法人名で検索すると、役員名簿を見ることができます。

この名簿から理事長や他の理事が誰かわかるようになっていますよ。

でも、この方法だと、副園長や主任保育士(主幹保育教諭)の名前まではわからない場合もあります。


転職エージェントから直接家族経営との確認がとれること



そこで、転職エージェントを利用するという方法もあります。

転職エージェントとは、転職サイトの社員で、転職の際に担当者として相談にのってくれたり、代わりに園に交渉してくれる、ありがたい存在です。

転職エージェントは、頻繁に園に電話をかけて園の現状について雑談するなどして、園の情報をかなり持っています。

ですので、転職エージェントに相談すれば、もし知っていれば教えてもらえますし、知らない場合もあなたの代わりに園に問い合わせてくれます。

もちろん、あなたが知りたいということは伏せてくれますよ。

ただ、転職エージェントに相談するには、求人サイトへの登録が必要です。

登録は無料で簡単にできますので、サクッと登録して、お伝えした2つの視点で良さげな園を見つけて転職エージェントに相談しちゃいましょう。

他の人よりも早く動いておけば、思った以上の掘り出し物に出会えるかもしれませんよ。

おすすめの求人サイトについては、こちらの記事で紹介しています。


まとめ:家族経営の保育園・こども園を避けて、正しいキャリアアップを目指しましょう



今回は、ほぼデメリットしかない家族経営の保育園・こども園の見分けるための視点3つを紹介しました。

社会福祉法人の家族経営による法人の所有物化を防ぐ法改正が平成28年にありましたので、今後は家族経営の園は少なくなってはいくと思いますが、今のところは山ほどあるので、こういうヤバい園を避けてお金もしっかり貰えて自分らしい働き方ができる園を探しましょ。

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