こんにちは、会社員からこども園副園長に転身した「しん」です。
今回は、私がこども園副園長としての経験を踏まえて、これから保育園・こども園への就職・転職を考えている方に対して、実際に園を探す際に押さえるべき3つの条件を紹介します。
保育園・こども園への就職でのおすすめとは
これから園への就職や他の園への転職を探す場合に、まず考えるべきなのは、
- 給料
- 自由に働ける環境か
- 勤務形態・勤務状況
の3つです。
この3つのうちいずれか一つでも欠けている園に就職すると、いずれは負担が重くなり、退職・転職の危険が生じてしまいます。
それでは、それぞれについて詳しく説明しますね。
給料
給料が高いに越したことはない。全くそのとおりですね。
ただ、給料を見る際に基本給だけを見てはいませんか。
たしかに、基本給はボーナスの金額に直結するため、非常に大事な要素ではあるんですが、本当に考えるべきなのは毎月得られる金額ではありません。
大事なのは可処分所得です。
可処分所得とは、毎月貰う給料から税金とか保険料などが差っ引かれた後に残る、毎月自分が好きに使えるお金のことを言います。
この可処分所得額が大きければ大きいほど、日々の生活が非常に楽になります。
この可処分所得を非常に大きくできるのが、借上げ社宅制度です。
借上げ社宅制度とは、保育園やこども園が契約したアパートやマンションの一室を保育園の社宅として勤務する保育士に提供し、その家賃を国や自治体が補助をする制度です。概ね待機児童問題が生じていた首都圏近辺で採用している園が多いようです。
本人がどの程度家賃負担をするのかは園によって異なりますが、1~2割程度に収まるケースもあるようですよ。
仮に、東京都内で借り上げ社宅制度による上限8万2000円を活用できた場合、年間98万4000円もの補助が受けられることになります。給料自体はあまり多くなくても、住居費がかなり安く抑えられるのであれば、その分可処分所得は非常に大きくなります。
そのほかに可処分所得を増やせる手当としては、
- 住居手当
- 通勤手当
- 超勤手当
- 役職手当
などが挙げられます。
基本給があまり高くなくても、これらの手当が充実している場合もあるので、単に基本給だけでなく、手当もしっかりと確認するようにしましょう。
自由に働ける環境か
保育士・保育教諭の仕事は園児に対する保育・教育がメインとなりますが、それだけではなく、保護者の方へのケアも大事な仕事になりますよね。
そして、これらの仕事をどのように進めていくかは、その園の方針によるのが通常です。
そして園の方針を決めるのは、園長ですね。
園長の権限って本当に強いんです。
子どもたちに対してどのように保育・教育をしていくのかっていう非常に基本的な部分も園長が変われば大幅に変わってしまいます。
園児のおやつの内容や、教育時間にどのような教育を行うか、保護者に対してどのように接するかについてもです。
なので、就職の際にはまず園長の性格・指導方針の確認が必須です。
そして、園長はあまり変わることがありません。私の知る園長たちも多くが60代、70代で、数十年園長をされている方が多いです。
ですので、今から就職するのであれば、40代頃の園長の園であれば園の方針が変わる可能性が非常に小さくなるのでおすすめです。
以上をまとめると、園長の年齢と指導方針を確認して、自分にとって相性の良い園長なのか、指導がキツくないかを知るのが重要です。
次に確認するべきなのは、管理職です。
保育園では主任保育士、こども園では主幹保育教諭ですね。
この役職の人は、園長の命を受けて現場の保育士や保育教諭に対して指導・監督を行う立場なので、基本的には園長の方針に従って指導します。
しかし、私の園でもそうだったのですが、主任・主幹が非常に力を持って実験を握っている場合があります。主任・主幹が園長よりも経歴が長い場合や園長を外部から招いている場合などですね。
この場合、主任・主幹の指導が非常に厳しかったり、派閥を組んでいる場合があるので注意が必要です。園に就職した場合、派閥に入れなかった時は執拗に厳しく当たったりするので、おすすめできません。
こういった主任・主幹がいるかどうかは、園に派閥ができているかである程度見分けることが可能です。
特定の保育士・保育教諭にのみ強く当たっている、皆が特定の保育士・保育教諭の悪口を言っている、保育士・保育教諭同士の連携がうまくとれていないように感じる、などが特徴ですので、見学や面接などの際に気を付けて見てみましょう。
勤務形態・勤務状況
運営時間も園によって大きく異なります。
24時間運営している園もあれば、朝は7時から開園し夜も7時で閉園する園、土曜日も開園している園、など様々です。
たとえば、朝7時から夜7時までの園の場合、保育士・保育教諭の勤務時間は8時間なので、必ず朝番や遅番などが必要になります。
契約によっては、朝番や遅番での勤務が必要ない場合もありますが、一般的には必要になるでしょう。その場合、小さいお子さんがいる場合にはお子さんのお迎えなどの対処が必要になるでしょう。
また、未だにいくつかの園では保育士・保育教諭に対して自宅での作業を求めることがあります。
この傾向は、見栄えの良い制作物を求める園で見られる傾向です。
子どもたちの作る制作物は、ある程度保育士・保育教諭が形になるものを作っておいて、そして子どもたちの発達状況に合わせて自分で作成できるように保育士・保育教諭がサポートします。
その制作物が様々な素材を使っていてカラフルで見栄えの良い物を作るとなると、その分保育士・保育教諭の負担が大きくなります。そして、その負担が限界を超えるとどうなるか…
自宅での作業です。
自宅での作業なので当然残業代もでません。最もコストパフォーマンスの悪い働き方なのですが、未だに「子どものため」といって、見て見ぬふりする園もあります。
こういった自宅作業を強いる園かどうかは、見学の際の子どもたちの制作物を見てみましょう。
全体制作物ではなく、個人の制作物ですよ。
全体制作物は全員で作成するため、自宅作業の有無を見分けるのが難しいです。それに対して個人の制作物は保育士・保育教諭の手がどこまで入っているかの判断が容易です。
制作物の細かいところまで手が入っていると、かなり怪しいと考えてよいです。
逆に、画用紙にどんぐりや松ぼっくりを使って作ったようなものや、アイロンビーズで作った作品などは、安心していいです。保育士・保育教諭の手が入った部分がほとんどないため、負担が非常に少ないです。
自宅作業の有無を現場の保育士らに聞いても絶対に教えてはくれないので、こういった確認は必要ですよ。
まとめ:保育園・こども園への就職・転職時には3つの条件を確認しよう
今回は、保育園・こども園への就職・転職先を探すに必ず確認するべき3つの条件を紹介しました。
これらの条件を確認しないまま安易にハローワークやハートワークなどで施設を探すと、就職後に「思ったのと違う」、「人間関係がキツい」、「給料全然上がらない」なんてことになるかもしれません。
こんな未来をさけるために、就職を希望する園を探す際には、必ず給料面の条件と勤務形態や状況、そして勤務にあたって自由に動けるかどうかを必ず確認するようにしましょう。
しかし、給料面の条件を自分で確認するのは大変です。一から基本給から各種の手当、そして処遇改善加算による手当も全部把握していなければなりません。
また、実際に園の様子を確認するには、希望する園に対して見学の希望を申し出なければなりません。
もっとも、これらの面倒な作業は決して自分一人でしなけばならないものではありません。面倒な作業は人に投げてしまえばよいのです。
では、人に投げるにはどうするか。
求人サイトに登録するのがベストです。
求人サイトといっても、求人情報がただ掲載されているだけのサイトでは不十分です。
エージェントという、担当者が付いてくれる求人サイトに絞りましょう。
エージェントは、こちらの希望に合わせて求人情報を提示してくれますし、給料の内訳についても質問すれば丁寧に解説をしてくれます。そのうえで、給料面での具体的なアドバイスももらえますし、就職希望の施設が決まれば給料交渉もしてくれます。
給料面だけでなく、面接にあたっての見学希望もエージェントを通して交渉することができます。しっかりと見学したい旨を伝えておくと、エージェントもそれを踏まえて交渉してくれます。
そういった交渉も踏まえると、おすすめの求人サイトは
マイナビ保育士
です。
大手の人材・広告企業のマイナビによる保育士・保育教諭の就職・転職サイトで、こちらのサイトではエージェントはアドバイザーと呼ばれています。
大手企業ならではの豊富な人材力で、様々なアドバイザーが在籍していますので、頼りになる担当者が見つかります。
ちなみに、就職・転職先の園の候補がある程度絞られた後は、さらにそこから自分に合った園を見つける必要があります。
こちらの記事では、候補を絞った後の自分に合った園を見つけるために、候補の園に確認すべき事項について解説していますので、ある程度候補が絞られてきたらこちらの記事で更にハマる園を見つけましょう。
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