こんにちは、地方の認定こども園で副園長をしている「しん」です。
ここ数年、男性保育士が大幅に増加しています。男性保育士の増加と園の取り組みについてニュースになるほどです。男性の名物先生がYouTubeで人気になったり、マンガになったり。
同様に男性保育教諭も大幅に増加しています。ただ、「保育教諭」って馴染みがないのでまとめて「保育士」ってされていますけど。
男性の保育教諭の就職に関する情報ってなかなか見つからないですよね。
男性保育士のメリットはこれ、デメリットはこれ、今増えてる!って情報ばっかり。それも、給料は他業種と比べて少ない!とか、保護者に目の敵にされる!とか、重労働で役立つから重宝される!とか。
じゃあ、実際に就職したいからどのように対策すればいいか、どういった点に注意するべきかとか、そういった情報はなかなか出てこないです。
そこで、現役の認定こども園副園長の私から、男性保育教諭が就職するにあたって押さえておくべき3つのポイントを紹介します。
それは、
- 何よりも園探しに全力を尽くそう
- 保育業務以外のアピールポイントを見つけ出そう
- めちゃくちゃモテる
です。
これから、そう考える前提事情や詳細を説明しますね。
もくじ
男性保育教諭の需要は確実に増えていく
この記事の最初に、男性保育教諭が増加しているといいましたが、これには二つの理由があります。
まず一つは、単純に認定こども園が増加しているから。
これは明らかですね。内閣府のHPで公表されている資料によると、令和2年4月1日の時点で5700園の幼保連携型認定こども園があり、前年よりも500園増加しています。4年前では2800園程度でしたので倍増ですね。今後も一定数で保育園や幼稚園から移行していくと思います。
幼保連携型以外も含めた認定こども園は令和2年4月1日時点で8000園です。こちらも4年前より倍増しています。
認定こども園のうち、幼保連携型認定こども園は保育教諭であることが必須です。
保育教諭は保育士資格と幼稚園教諭免許状の双方が必要なので、今後はより能力の高い人材が求められることになります。
また、幼保連携型以外も、保育士資格と幼稚園教諭免許状の併有が望ましいとされているため、これらの認定こども園も双方の資格の保有者を積極的に職員として採用していくことになるでしょう。
そして、今は保育教諭が不足しています。保育士不足が叫ばれているように、保育教諭も不足しているんです。なので、男性保育教諭でも採用数が増えていきます。
そして、もう一つの理由が非常に大事です。それは、園長の世代交代が一気に進んでいるから。
今まで園を運営してきた園長たちは、その多くが60代であったり70代になりつつあります。そのため、園長を30代や40代のベテラン勢にバトンタッチしていっているわけです。
ここで、なぜ園長の跡を継ぐ人が50代ではなく、30代や60代なのか疑問に思いませんか。
答えは、新たに園長になる人は元々園長だった人の子どもだからです。
60代・70代になった園長は、自分の子どもに園を継がせるわけです。
もちろん、すべての園で自分の子どもに園を継がせているわけではありません。複数の園を運営しているところでは、実力のある主幹保育教諭などを園長にする場合が多いでしょう。
ただ、自分の子どもに園を継がせるという方法で世代交代をする園は多いです。
じゃあ、そんな縁故で園長を決める園って大丈夫なのか?と思いますよね。
確かに、園長を引き継いだ後も昔のやり方を続けている園もあります。こういう園は、引き継いだ園長がずっと保育士として、その園で働いていた場合に多いです。
しかし、新しく引き継いだ園長が全員もともと保育士だったというわけではありません。
実は、園長になるのに保育士資格や幼稚園教諭の免許状は必須というわけではないんです。
なので、他の業種でずっと働いて来て、そのまま保育士や保育教諭を経験することなく園の事務仕事を手伝って、その結果園長になる。
こういうパターンも非常に多いです。
こういった若い園長たちは男性保育教諭の採用に抵抗がありません。
なぜなら、他の業種では男性を採用することは当たり前でしたし、男性保育教諭の有用性もしっかりと把握していますから。
なので、採用に積極的になります。
そして、そういった園が今非常に増えているんです。
男性保育教諭が抑えるべき3つのポイント
今まで述べてきた事情により男性保育教諭の採用が増加しているので、保育教諭として働く場合には、最初に述べた3つのポイント、
- 何よりも園探しに全力を尽くそう
- 保育業務以外のアピールポイントを見つけ出そう
- めちゃくちゃモテる
を意識して就活をする必要があります。とはいえ、3つ目のは直接関係はありませんが…
何よりも園探しに全力を尽くそう
なぜ、まずもって園探しに全力を尽くさなければならないか。
それは、園次第であなたの将来のキャリアプランが大きく変わってくるからです。
先ほど、男性保育教諭の増加には2つの理由があるとお伝えしました。
このうち、あなたが働くべきなのは、2つ目の理由で男性保育教諭を採用しようとしている園です。
園長の世代交代により男性保育教諭を採用しようと考えている園ですね。
なぜなら、この理由であなたを採用しようとしている園は、しっかりとあなたのキャリアを見据えているからです。
詳しく説明しますね。
男性保育教諭と女性保育教諭との大きな違い。
それは、将来的に離職可能性があるかどうか。
女性保育教諭は結婚や出産などにより園を辞めてしまう可能性が高いです。
一方で、男性保育教諭は結婚や出産を機に園を辞めるってのはあまり多くないですよね。
園としても、後々園の中枢を担ってもらおうと考えている人材に辞められると非常に困るわけです。
なので、管理職を想定して雇った人にはできれば辞めてほしくない。
男性であればこういったリスクは非常に少ないため、雇う以上は将来のキャリアも見据えて雇ってくれます。
このような考え方は、30代や40代の若手が園長になった園での傾向です。昔ながらの園の考えではなく、合理的に考えます。
こういった園で雇ってもらえると将来に渡って重宝されるので、おすすめです。
一方で、認定こども園に切り替わったから単純に保育教諭を採用したいと考えている園では、将来のキャリアを見据えて採用することはあまりありません。
その場合、キャリアを積めば積むほど給料が高くなり園の負担になるので、どこかで辞めてほしいと園が考える可能性もあります。
このように考えられてしまうと、ことあるごとに辛く当たるなど、心と体をすり減らす可能性があるため、おすすめしません。
では、どうやって、自分の将来のキャリアを見据えた園を見つけるかですが、これはなかなか難しいです。
例えば、
- 法人の登記を確認する
- 園の保育教諭の知り合いに聞く
- 園内に男性トイレなど、男性を前提とした設備があるか確認する
など、細かく見れば色々判断要素はあると思いますが、どれも入社前に確かめるのは難しいですよね。
なので、ここはプロにお任せするべきです。
具体的には、保育士専門の求人サイトですね。
求人サイトでは、エージェントという就職・転職専門の担当者がいます。その担当者に若い外部からの園長が経営している園はないか確認してもらい、ある程度ピックアップしてもらったら、そこから情報収集してもらうのがいいです。
求人サイトの情報力はすごいです。私の園にも頻繁に電話をかけてきますし、常に情報収集をしているようです。
なので、無理に自分自身で情報収集するよりも、プロに任せた方が確実です。
エージェントが在籍しているおすすめの求人サイトについてはこちらの記事で紹介しています。
>>【施設により待遇が違う!】保育士・保育教諭の求人の探し方
ちなみに、男性保育教諭の転職は基本的にはおすすめはしません。
なぜなら、転職すればするほど、自分のキャリアを見据えた園に採用されにくくなってしまうからです。
採用する園からすれば、転職しようとしているこの人は、またいつか転職するのでは?という考えに意識が向かいがちです。なので採用されにくい。
逆に使い捨て系の園では、給料が上がってきたら辞めてほしいので、積極的に採用してきます。
この流れを崩して、きちんとした園に採用してもらうなら、特別なキャリアやスキルをアピールしないと厳しいです。
保育業務以外のアピールポイントを見つけ出そう
一番大事な園探しをお願いして、いくつかの園がピックアップできたとします。
次に大事なのは、将来の管理職としてふさわしいとアピールすることです。
園としては将来の管理職を目指して採用しようとするので、管理職にふさわしいスキルを持っているのかどうか、将来スキルを取得できそうかという点を重視します。
なので、そういった視点に刺さるアピールポイントがなければなりません。
園にとっては、保育教諭は保育ができて当たり前、教育ができて当たり前です。国家試験に合格するなり、養成校を卒業しているのですから、基本的な知識・技能は当然あると認識しています。
ですので、保育・教育の部分のアピールだけをしていてもダメです。
でも、自分にはそんなアピールポイントなんかない…
と思ってしまうかもしれません。しかし、入社希望の時点ですごい資格やスキルをアピールする必要は全くありません。
入社時点で将来性があると思われればいいんです。
- 園がキャリア候補として欲しい人材
- 保育教諭をマネジメントする能力がある人材
- 経営状況を踏まえて意見を出せる人材
- 市との交渉がうまくできる人材
そこで、今までの人生で自分がしてきたことや取得した資格を書き出してみましょう。
簿記2級や3級、ブログ書いていた、TikTokで200回投稿した…なんでもいいんです。
書き出したものを、園が欲しがる人材を考慮してこじつけちゃいましょう。
経営なら会計もしていくな…それなら、簿記をとっているので決算表が見れます。
ブログ書いていた…保育教諭の日報・月報・計画書の作成に役立ちますし、将来のチェックにも役立ちます。国や市の書面も読み解けます。
TikTok200回投稿した…園児獲得のために、若い世代に刺さる広告の提案ができます
といった感じですね。
そんな無茶な…と思うかもしれませんが、園としてはキャリア候補には長く働いてほしいので、アラがあっても、意欲の方を買ってくれます。
本当に何もない…
という場合には、ひとつおすすめ資格を教えちゃいます。
それは、
メンタル心理カウンセラーです。
費用は3万円弱、2か月の通信講座で取得できる心理学系の資格です。
心理学の資格といれば、公認心理士などの資格があり、取得が困難なことで有名です。そのため、他の心理学系の資格も取得が困難なイメージを持たれやすいです。
おまけに、保育教諭のキャリアとしてひとまず目指すべき主幹保育教諭は、保育教諭間の仲介役としての役割が大きいため、その仲介をスムーズにしてくれそうとの期待を持たれやすいです。
この資格を履歴書に書いて、コミュニケーションは任せてくれとアピールすれば印象はいいでしょう。
めちゃくちゃモテる
おまけですが、男性保育教諭はめちゃくちゃモテます。元々保育教諭も保護者も、ほとんどが女性ばかりの環境なので、数少ない男性として人気がでます。
保護者と関係を持つのは論外ですが、独身の保育教諭も多いので、毎日ともにがんばって仕事をしているとすぐに仲良くなれます。
特にモテる男性保育教諭の特徴としては、
- 保育教諭らしいやさしさ
- 保育教諭らしいかわいらしさ
- 男性らしい男らしさ
が挙げられます。保育業界は特殊で、優しくおっとりしたタイプの男性は非常にモテますよ。
まとめ: 3つのポイントを押さえて、園に使い潰されないようにしよう
今回は、男性保育教諭が就職するにあたり押さえておくべき3つのポイントを紹介しました。
これらのポイントを踏まえた就活をして、職員を使い捨てのように考える園につかまらずにキャリアを伸ばしていきましょう。