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他業種から保育士・保育教諭に転職する際に押さえておくべきことまとめ。デメリット・メリットもお教えします。



こんにちは、認定こども園の副園長の「しん」です。

皆さんは、保育士や保育教諭へ転職をする時にこんな悩みを抱えた経験はありませんか。

保育士資格がないと保育業界では働けないの?
そもそも他業種から保育士や保育教諭への転職って可能なの?
もうすでに社会人だけど保育士・保育教諭になれるの?

認定こども園副園長の私がこれらの悩みに回答し、他業種から保育業界への転職するメリット・デメリットをお答えします。


違う業種から保育業界への転職には必ずしも保育士資格は必要ではない



実は、保育業界で働くのには、保育士資格は必ずしも必要ではありません。

保育士資格が必要なのは、保育士として働く場合です。また、保育教諭として働くのであれば保育士資格と幼稚園教諭の資格の双方が必要になります。

したがって、保育士として働くのでなければ、保育士資格は必ずしも必要ではありません。

たとえば、事務職が該当します。

でも、保育業界で働くなら実際に保育に携わりたいですよね。

そこで、保育士資格がなくても保育を行える仕事として、「保育補助」という仕事があります。


保育補助とは、保育士資格を持つ保育士の業務をサポートして働く仕事です。クラスの担任などは請け負わず、あくまで保育士の指示の元で業務全般をサポートしていきます。

※保育教諭とは
認定こども園で働く、保育士資格と幼稚園教諭免許の2つの資格を持つ職員のことです。保育士の仕事に加え、子どもたちへの教育も行います。

※認定こども園とは
幼稚園と保育園の両方の機能をもち、教育・保育を一体的に行う施設です


ただ、保育補助の場合、基本的にはアルバイトやパートでの勤務です。しっかりと保育の仕事に携わりたいのであれば、やはり保育士資格は必要でしょう。

ちなみに、副園長や園長も必ずしも保育士資格は必要ではありません。そのため、一定数は事務職から副園長になっている方もいらっしゃいます。

最近は、他業種からの転職者を求めている園も多い



保育園やこども園は、その多くが時代遅れの仕事の仕方をしています。

私の園でもそうでしたが、PCをろくに触れない、Wordできない、Excelできない、なんて保育士や園長はザラです。私が転職した当時は、おたよりを手書きで書いていますし。

私が今の園に採用された理由のひとつが、無駄な仕事の削減を指揮できるから、でした。

それほど、園では不要な仕事をしたり、PCでできることをあえて手書きでしたり、という無駄が多く、その結果、保育士さんらの残業が増えてしまっていました。この無駄な残業を削減するため、雇われました。

他の園でも同様に、保育業務をしながらも、前職の知識を活かして園をより良くする手助けをしてほしいと考えている園長はいっぱいいます。
ですので、他業種からの転職でもそこまで不利というわけではありません


保育士資格・幼稚園教諭の資格に年齢制限はない



保育士になるために必要な保育士資格や幼稚園教諭資格に年齢制限はありません。その気になれば、定年後の第二の仕事としても働くことができます。

私の園でも、70歳代の女性保育士がパートではありながらも現役で働いていますよ。


違う業種から保育士・保育教諭への転職による「3つのデメリット」



他の業種への転職でも同様ですが、もちろん保育士・保育教諭への転職でもデメリットはあります。

新しい職種へと飛び出していくわけですから、今までにはなかった不満や悩みが出てくる可能性はあります。

この点をしっかりと考えずに、あわてて転職してしまうと、後々に「失敗した…」と後悔する可能性があります。

そのため、これから説明する他業種からの転職によるデメリット3つをきちんと把握しておきましょう。


【デメリット1】キャリアがいったんリセットされる。




他業種から転職する以上、保育士経験がないため、今まで得ていたキャリアを前提にした給料設定にしてくれることはほとんどありません。

つまり、基本給が大幅に下がる可能性があります。


ここ数年、保育士の低年収への対策が行われていますので、10年前に比べるとかなり改善はされています。

しかし、他業種に比べて特段給料が貰えるわけではありません。

給料を増やす施策についても、働き始めの人よりも、いわゆる中堅層という働き始めてから5年以上経過した人の方が給料が増えたと感じるような内容です。

ですので、就職直後は「給料が少ない…」となる可能性があります。


【デメリット2】年齢が高い


政府の統計によると、平成30年度の時点での年齢別職員構成割合は以下のとおりです。

30歳未満32.9%
30歳代25.6%
40歳代20.5%
50歳代14.4%
60歳代5.7%
70歳以上0.7%



見てのとおり、保育士は若手が圧倒的に多く、全体のうち6割程度が30歳代までです。

社会人を経て、保育士に転職しようとする場合、30代や40代ということもあるでしょう。

そうなると、職場の多くの同僚は自分と同世代か若い世代になってしまいます。そのため、職場でのコミュニケーションに抵抗を感じたり悩んだりしてしまう場面が出るかもしれません。

たとえ先輩が年下だとしても、保育の経験年数は相手の方が上ですから、敬意をもって接することが必要です。

とはいえ、下手をすると20代前半の年下に教えを乞うのに抵抗を感じてしまうかもしれません。

【デメリット3】給料が低くなりやすい




前述のとおり、保育業界の給料事情は、他業種に比べて特別良いわけではありません

保育士不足が叫ばれ、その対策として処遇改善加算という施設への特別手当がなされたことにより全体的に改善傾向にはありますが、それでも少ないと感じてしまうかもしれません。

保育士や保育教諭の仕事はやることが多く、施設によっては激務と呼ばれるほどの場合もあります。

また、給料自体はそれなりに良くても、労働量からは割に合わない…なんてことも。

保育士や保育教諭の仕事は、園児らの成長を日々感じることができ、非常にやりがいのある魅力的な仕事ではありますが、かといって給料の低さや過度な労働量によって自分自身の心と体が疲弊していってしまうのでは元も子もありません。

園によっては、年次の昇給やボーナスの金額、処遇改善加算という施設への手当をどの職員に分けていくかなど、それぞれ異なりますから、転職にあたっては、しっかりと園の募集要項を確認し、把握しておく必要があります


違う業種から保育士・保育教諭への転職による「メリット」



一方で、他業種から保育士や保育教諭に転職する場合には、保育業界ならではのメリットと他業種からの転職であることによるメリットがありますので、以下で詳しく紹介します。


働く施設によっては多様な働き方が可能




保育士や保育教諭は、働く時間や内容など、選び方によっては多様な働き方が可能です。

一般的な事務職の場合、フレックスタイムの採用が増えてきているとはいえ、その多くが朝9時から夜6時であったり、朝8時30分から夜5時30分といった勤務時間が多いのではないでしょうか。

それに対して、保育園やこども園は、園によって運営時間が大きく異なります。たとえば、朝7時から夜7時まで運営している園もあれば、24時間開園している施設もあります。

朝7時から夜7時まで開園という園であれば、早番や遅番などで勤務時間をかえられますし、24時間開園の園であれば3交代勤務になるでしょう。

保育士であれば、働き方によっては、早朝・夕方のラッシュを避けながら通勤というのも可能ですし、夜に働くというのも可能です。
園にもよりますが、他業種よりも勤務時間の調整がしやすいです。

また、保育士や保育教諭の仕事は保育には限られません。

保育士は保育園で、保育教諭はこども園でだけ働くもの…そんな風に思っていませんか。実は、保育士の資格を持つこの二つの職種の人は、保育園などの児童福祉施設以外でも働ける場所がたくさんあるんです。

例えば、児童養護施設や肢体不自由児施設、母子生活支援施設、ベビーシッターなど働き先には様々な種類があります。

そして、それぞれが保育だけでなく、ソーシャルワーク的な仕事であったり、介助や保護者のメンタルケアなど、施設に応じて仕事内容が変わります。

保育をベースにしつつも、自分の個性を活かして様々な仕事ができますよ。

前職の経験を活かせる可能性が高い




先ほど、転職によるデメリットとして、キャリアがリセットされると書きましたが、それは前職の経験を活かせなかった場合の話です。

新しい職場で得た前職の経験やスキルを保育の現場で活かすことができるのであれば、その経験・スキルはプラス評価につながります。

また、既にお伝えしたとおり、最近は他業種からの転職者を求めている園も多いです。それは、他業種からのスキルや経験を園で活かせる可能性があるから。

そのため、就職の時点で園が求めているスキル・経験をあなたが持っていることをきちんと伝えることができれば、キャリアのリセットというデメリットはなくなりますし、交渉によっては給料が低いというデメリットすらなくなります

実際には、私の前職は公務員だったのですが、今の園に採用される際に、PCのスキルや運営に関する知識・ノウハウがあることをアピールしました。

そして、実際に改善のアイデアをいくつか提示したり計画書を提出したりしていたことを考慮してくれ、採用の際には前職の給料水準をそのまま採用時点の給料にしてもらえました。

ですので、前職のスキル・経験を求めてくれている園を探すようにすると良いです。


他業種から保育業界に転職するなら求人サイトを利用するべき



先ほどもお伝えしたとおり、他業種で経験を積んだうえで保育士や保育教諭になるのであれば、他業種の経験やスキルを求めている園を探すのがおすすめです。

単なる保育士や保育教諭を探している園では、給料の向上は望めませんし、前職の仕事のやり方を提案しても、うちにはうちのやり方があると言われて実現しない可能性が高いです。

では、前職のスキルを求めてくれる園を探すにはどうすればよいか。

保育士専用の転職サイトを利用しましょう。

保育士専用の転職サイトでは、エージェントという専門の担当者がおり、あなたの前職の経験も踏まえて、求人の提案をしてくれます。

こういった転職サイトはあらかじめ園に連絡をしており、どういった人材が欲しいかといった聞き取りなどの調査をしています。そういった情報を踏まえて求人を提案してくれるので、自分で探すよりもよっぽど効率がいいです。

また、実際に就職する際には、自分の持っているスキルを踏まえた給料交渉も代わりにしてくれるので安心です。

どの転職サイトを利用するのが良いかは年齢やあなたの居住地域によりも変わります。こちらの記事で紹介しています。



まとめ: 他業種からの転職は入念な準備が必要



今回は、他業種からの介護業界への転職にあたり押さえておくべきことと、転職のメリット・デメリット、そしてデメリットを克服する方法を紹介しました。

転職により給料が減ってしまった、労働量が多すぎて毎日が辛い…なんてことにならないように、今のうちに自分のスキルは何かを洗い出したり、入念に就職先を探しておきましょう。

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