こんにちは、こども園副園長の「しん」です。
皆さんは保育士として働くなかで、以下のような悩みを抱えたことはありませんか。
- ずっと働いているけど、なかなか給料が上がらない
- 今働いている園では、学んだ知識やスキルが行かせていない
- 給料を下げずに、フレキシブルに働けるようになりたい
これらの悩み、実は一つの園で働き続けているのが原因かもしれません。
園で働いていると、就業時間や、休暇関係、給料も園の定めた規則に拘束されてしまいます。
そのため、一日に働く時間が決まってしまいますし、毎日の保育業務を多くない人員でこなすため休暇もなかなかとれません。おまけに、どれだけ働いても時給はなかなか上がりません。
確かに、園の職員、特に正職員であれば非常に安定した働きかたをすることができます。毎日決まった時間に働くので、プライベートの時間ははっきりしていますし、毎月きっちりお給料も入ってきます。いきなり収入がゼロになるということもないでしょう。
将来、どれぐらいお金を貯められるかも見通しがつきやすいです。
ただ、先ほど例示した悩みのように、時間、勤務内容、お金の観点で不満があるのであれば、フリーランス保育士という働き方も検討してみても良いです。
ただ、後述のとおり、フリーランス保育士は誰にでもおすすめできるような働き方ではありません。この記事を読んだうえで、自分に向いているかをしっかりと考えてみることをおすすめします。
もくじ
フリーランス保育士とは、個人事業主として保育業務をする人
フリーランス保育士とは、個人事業主として保育業務をする人を指します。つまり、会社に縛られず、自分の力で保育業務をして稼ぐ人のことですね。
以下では、詳しく説明します。
フリーランス保育士の意味
そもそも、フリーランスとは、「会社や団体などに所属せず、仕事に応じて自由に契約する人」をいいます。
そして、フリーランス保育士は、「会社や団体などに所属せずに、保育に関する仕事を自由に契約する人」のことです。
つまり、自分ひとりで、営業して、依頼人と契約して、保育に関する仕事をして、お金を貰うということです。そして、健康保険や国民年金、税金の申告などもすべて自分で行います。自己責任の世界です。
ただその分、どのぐらい働くか、どのぐらい稼ぐか、時給をどのように設定するかなどもすべて自分で決めることができます。
子育てを重視したいので午前中と夜だけ仕事したいとか、できる限り働きまくってめちゃくちゃ稼ぎたいとか、時給を高くして短時間でたくさん稼ぎたいとか自由です。
自由に決められる分、責任もすべて負うのがフリーランス保育士です。
フリーランス保育士としての働き方
では、フリーランス保育士として働く際には、どのような働き方があるか。
一般的には、以下のようなものが考えられます。
- 人材派遣会社に登録してフリーの派遣保育士として働く
- ベビーシッターサイトに登録して働く
- 個人で開業する(ライター、講師など)
働き方としては、下にいけばいくほど難易度が高くなり、その分収入も増加する可能性があります。
派遣保育士は、フレキシブルに働きたい人向け
派遣保育士は、企業と契約している派遣会社から、保育士が不足している園にフリー保育士として派遣されて働く人をいいます。
派遣という形態なだけで、実際には通常のサポート保育士と変わらないので、収入も通常の保育士とそれほど変わらないでしょう。
ただし、正職員ではなく、不足人員の補充として働くため、時間の都合が付けやすいです。この曜日とこの曜日だけ働く、この時間以降だけ働くといった働き方が可能です。
ベビーシッターは資格・スキル次第で高収入を狙える
皆さんは、ベビーシッターと聞いてどのようなイメージを持つでしょうか。保護者が働いている間、赤ちゃんや子どもの保育をするというイメージかなと思います。海外のテレビでよく見るような働き方ですね。
そして、海外だけでなく、共働き世帯の増加により日本でもベビーシッターの利用が増えています。
ただし、日本の場合、ベビーシッターで求められるのが保育だけではない場合が多いです。
たしかに、ちょっと用事があるので、その間子どもを見ていてほしいという依頼ももちろんありますが、近年増えているのが、保育園で不足している教育をベビーシッターにしてほしいというもの。
最近では様々な教育法を取り入れている園もありますが、その教育は多数人にむけられているものです。
それでは足りないと感じている保護者が、自分の子に向けた、自分の子だけのための教育をしてほしいとベビーシッターを雇います。
そして、そのような保護者はベビーシッターに対して多額の報酬を払ってくれます。なので、収入はかなり高いです。
人によってですが1,000万円以上の収入を得ている人もいます。
個人での開業は、超高収入を狙えるが情報発信が必須
最後に、個人で開業する場合には、派遣会社やベビーシッターのマッチング会社を通さないため、収入が一気に上がります。
ただし、営業を完全に自分一人でしなければなりません。
保育は子どもの命にかかわるため、信用が第一の世界です。講演などをするのにも、信用がなければ依頼されることはないでしょう。
そのため、開業するには、まずは派遣先の園やベビーシッター、SNSなどで信用を得る必要があります。
フリーランス保育士として稼ぐにはプラスαのスキルが必要
以上のとおり、フリーランスの保育士として稼ぐのであれば、まず派遣先の園やベビーシッターで働いて評判を得たうえで、開業する流れがおすすめです。
そして、派遣保育士やベビーシッターとして収入と評判を得るのであれば、どれだけ保育の質が高くても足りません。
保育のスキルに加えて、教育に関するスキルが必要です。
なぜなら、派遣先の園の報酬を上げるには派遣保育士自身が何かしら特別な教育を実施でき、園の金銭的負担を軽減させる必要がありますし、保育だけでなく教育も行うベビーシッターは通常のベビーシッターに比べて報酬がハネ上がるからです。
フリーランス保育士として稼ぐには必須のスキルです。
教育に関するスキルとしては、
- モンテッソーリ教育
- シュナイダー教育
- レッジョ・エミリア教育
など、注目されている幼児教育法についてのスキルや、
- 英語
- ピアノ、バイオリン
などの技術のスキルが必要です。
これらのスキルは、本を読んで理解したいう程度では全く足りません。
教育法や技術の深い理解と実践力が求められます。
たとえば、モンテッソーリ教育を受けたくてベビーシッターをお願いしたら、そのベビーシッターが本で紹介されているような教育をするだけですと、保護者はもう一度ベビーシッターをお願いしたいと思うでしょうか。
おそらく、二度とお願いされることはないと思います。
保護者は、園で足りない特別な教育を求めています。モンテッソーリ流のおもちゃを作るとか、お仕事をさせてみるなんてレベルの低い教育は求めていません。
モンテッソーリ教育は、環境を整備することを強く意識していますので、ベビーシッターは実際に家の中を見て、モンテッソーリ教育を実践するのに足りない環境があればそれを指摘し、実際に環境を整えていくようなパワーが求められます。
まさしく、プロとして活動するんです。
そのプロとして活躍し、保護者からもプロと思ってもらうには、実践的な知識の習得と権威性が必要です。
権威性とは、特定の分野に対する非常に強い信用のことをいいます。
この例では、実践的な知識の習得と権威性を得る最も良い方法は、モンテッソーリ教育団体の公認を得ることです。期間は1~2年程度かかり、費用も50万円近くかかってしまいますが、早くかつ確実です。
ただし、公認を得るためには、東京にある施設に通う必要があるため、地方住まいの方やフルタイムの方にはなかなかキツイですよね。
そこで、もう一つの実践的な知識の習得と権威性を得る方法として、通信教育で教育を受けた後、実際にベビーシッターをする中で評判を上げていくことが考えられます。
この場合、ベビーシッターとして評判を積み上げていくだけでなく、SNSを使ってお家でできるモンテッソーリ教育の実践などを発信していけば評判が積み上げられやすいでしょう。
そして、十分に評判が積み上げられれば、独立しましょう。
評判が十分にあれば、ライター業や講演、コンサルティング業務などで更に稼ぐことができますよ。
ちなみに、稼げるフリーランス保育士のロードマップについては、こちらの記事で紹介しています。
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まとめ:フリーランス保育士に向いているかは、よく考えよう
ここまで、フリーランス保育士としてキャリアを積んでいけば稼げるとお伝えしましたが、誰にでもおすすめできるとは言えません。
なぜなら、拘束時間など園からの制約がない分、自分でスケジュールを決定して仕事を勧めなければならないですし、より稼ぐには保育以外のスキル(教育・営業)が求められるからです。
また、スケジュールの組み立て方次第では、ずっと働きっぱなしであったり収入が極端に減ったりと、自分の思ったとおりの働き方ができない可能性があります。
フリーランス保育士として働くうえでの良い面だけでなく、悪い面も踏まえて、自分にはどちらの働き方があっているのかをしっかりと考えてから動きましょう。
注意点として、実際にはフリーランスになったこともないのに、独立するのは危険だと一方的な意見を言う人の話は聞くべきではありません。
経験に基づかない思い込みだけで言っている可能性が高いです。
実際にフリーランス保育士になった人の話を聞くか、詳しく調べたうえで、自分の頭でしっかり考えましょう。これからの人生にかかわりますよ。