こんにちは、認定こども園副園長の「しん」です。
皆さんは、このような悩みを抱いたことはありませんか。
- 保育士として給料をアップさせるには資格を取得すればいい?
- 給料アップには、どのような資格を取得すればいい?
- 園は、どのような時に給料をアップしてくれる?
これらの悩みについて答えます。
まず、結論からいえば、資格を取得すれば直ちに給料が上がるわけではありません。
園の運営が補助金に頼って運営しており他からの収入が見込めない以上、給料が上がるのはできるだけ避けたいと考えている園が多いです。
にもかかわらず園が特定の保育士の給料を上げるのは、その保育士に辞めてほしくないからです。なので、資格だけでは足りず、その資格で得た知識・経験が園の運営にプラスになることを示さなければなりません。
そのためには、ある程度の時間を覚悟する必要はあるでしょう。
ただ、実際に園長や運営者の印象が良くなる資格はあるので、後半で紹介します。
もくじ
資格取得だけでは給料は上がりにくい
まず覚えておいてほしいのは、保育士の保育業務に役立つ資格はたくさんありますが、資格を取得したからといってすぐには給料は上がらないということです。
私立の保育園やこども園の職員の給料は、運営法人の理事長や園長の指示のもと年次昇給が行われます。年次昇給とは、毎年少しずつ給料が上がっていくことですね。
あくまで私立の園ですから、どのように昇給させるかは経営者の判断です。ただ、園が補助金により運営されているため、どのように昇給させるかも市役所の監督下にあります。
そのため、理由なく、全く昇給させなかったり、特定の一部のみを昇給させるようなことをすれば指導を受けることになるので行われません。
一方で、周りの人よりもある人だけを理由があって特に昇給させること自体は指導の対象ではないです。
とはいうものの園の運営資金の問題もあるので、簡単に給料を上げるようなことはしません。
では、どのような時に給料をたくさん上げるかというと、その保育士に辞めてほしくないときです。
辞めてほしくない時として、
- 保育士として実力が高く、辞めると他の保育士のみでは安定した運営ができない
- 将来的には管理職になってほしいと考えている
- 園で実施しているカリキュラムに必須な人材である
など、園の運営に欠かせない人材であることがあげられます。
資格取得が給料アップにつながる場面としては、資格を取得した結果、その知識・経験が園の運営に欠かせないものになったということが必要です。そして、園の運営に欠かせないといえるためには、資格取得で得た知識・経験を充分に活かさなければならないでしょう。
ですので、資格取得はあくまで給料アップのための前提と考える方が良いです。
ただ例外として、就業規則で資格取得について手当を定めている場合には、それだけで給料が上がりますので全力で取りにいきましょう。
給料アップを目指すなら、まずはキャリアアップ研修の受講を
資格取得がただちに給料アップにつながりにくく、取得に費用がかかるのに対し、費用がかからず、なおかつ給料アップにつながりやすいものとして、「キャリアアップ研修」があります。
キャリアアップ研修とは、正式名称を「保育士等キャリアアップ研修」といい、処遇改善等加算Ⅱという保育士の待遇改善を目的として補助金が適用される研修です。
この研修を受講した保育士のみが新たに新設された役職に就くことができ、その役職分の手当がもらえるようになる制度です。
ただ、役職ごとに受講する研修の数が異なったり、保育士としての経歴なども必要になりますし、手当の金額も変わってきます。
詳細は、こちらの記事で紹介していますので、確認してみてください。
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給料アップにつながる資格3選
資格の取得は直ちに給料アップにつながるわけではありませんが、その資格を上手に活かせば園にとって欠かせない存在となり、昇給も見込めます。
そこで、これからの園の運営で重宝されるスキルを取得できる資格を紹介します。
リトミック指導員
リトミックは近年、多くの園でも採用されている子どものための音楽教育です。リズムにのった遊びやダンス、歌などをとおして子どもの音楽的素養や協調性、集中力を育むことができます。
リトミック自体は資格がなくても行うことができますが、リトミックを園で取り入れる場合、園に知識がないため、外部講師に委託することが多いです。その場合、外部講師への報酬がかかってしまうため、自園の保育士がリトミック指導員の資格をもっており、適切に指導できれば非常に高く評価されます。
リトミック指導員資格の取得には通学が必要なため、初期費用がかなりかかってしまいますが、資格取得後の給料アップにつながるだけでなく、転職時などにも非常に有利になるので、取っておいて損はない資格です。
運動保育士
運動保育士とは、NPO法人運動保育士会が認定する資格を保有する人を指します。
運動保育士は、脳科学に基づき、子どもの発達段階に適した遊び・運動を指導することで、子どもの好奇心ややる気、達成感、自信を育むことを目的とします。
最近の子どもたちは以前に比べて運動能力が落ちていることが指摘されており、運動能力の向上と発達の向上には相関関係があることから、運動遊びに力を入れている園も増えてきています。
ですので、子どもの発達に合わせて適切に運動遊びを指導できる保育士は非常に重宝されるでしょう。
幼児教育・保育英語検定(幼保英検)
園での乳幼児との会話や、保護者との連絡、交流等に必須な英語力を身に着けたことを証明できる資格です。
近年ではグローバル化が進み、園にもさまざまな国の子どもたちが在籍するようになりました。
これからのこども園や保育園では、子どもたちとも英語で会話をする機会が増えてきています。そして、そのような子どもたちの保護者とも英語で連絡や交流を行います。
この検定は、4級から1級まであり、級に応じてリーディング、ライティング、リスニングやスピーキングの試験を行い、それぞれの能力を判定します。
高い級であれば問題なく保護者との意思疎通が取れると考えられるレベルですので、多国籍の子どもを預かる園では資格保持者は非常に重宝されます。取得した級によっては手当がつくこともあります。
まとめ: 資格を取得してスキルを磨き、給料アップへ
いかがでしたでしょうか。
保育に関わる資格はたくさんありますが、資格を取得しただけで直ちに給料があがるわけではありません。
今働いている園や、これから専門性を磨いて就職したいと考えている園が欲している人材に必要な資格を取得するようにしましょう。
園にとって需要のある資格であれば、手当がつくなどして給料のアップも目指せますよ。